フランス語コミュニケーション教授法
-日本人学生に教えるための実践ガイド
フランス語会話の授業を盛り上げるには?
すぐに役立つ授業テクニックを紹介!
「日本人が日本語を話す際の会話の作法」と「フランス人がフランス語を話す際の会話の作法」は全く違います。フランス語会話を教える際には、その文化的差異をまず考慮に入れなければなりません。
大学でフランス語会話を教えるとき、このようなことが問題にならないでしょうか。
・学生のモチベーションが低い。
・クラスの人数が多い。
・学生が口を開かない。
・クラスがしーんとする。
この『フランス語コミュニケーション教授法ー日本人学生に教えるための実践ガイドー』では、日本の大学でのフランス語教授歴20年以上となる著者が、これらの難題を克服すべく長年の試行錯誤の中で培った独自のアプローチを紹介します。
新人教員の方はもちろんベテラン教員の方にとっても、ご自身の教授経験を活かすための枠組みや、すぐに実践できる授業テクニックについての発見があるでしょう。
テキストのサンプルPDFはこちらよりご覧いただけます。
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「本著では、私が日本での20年間のフランス語教授経験から見出したテクニックを紹介し、皆さんと共有したいと思っています。新米教員のときは本当に苦労の連続でした。学生に悪気はないにせよ、重い空気が立ち込めるクラスで、会話の授業を進めるのは簡単ではありません。学生の沈黙を打ち破ることができないとなると、どんな熱血教師でも意気を挫かれるというものです。
私はその重い空気と沈黙の原因を探るべく、文化に内在するロジックに目を向けました。日本文化は本当に素晴らしい文化ですが、特に口頭表現の領域では、フランス文化との違いが際立ちます。フランス語会話の授業で成果を出そうと思えば、とにかく話す練習を重ねるしかありませんが、日本文化ではむしろ「沈黙は金」の傾向があります。しかし、それを踏まえた上で日本文化に合わせた授業運営のシステムを用いれば、初日から会話の授業を盛り上げていくことができるのです。」
―ブルノ・バニュウヴェンヌウイズ(著者)
著者について
著者:ブルノ・バニュウヴェンヌウイズ
神戸大学特任教授。神戸大学ベストティーチャー賞を6度受賞。
1967年、フランスのリール市生まれ。リール第一大学博士課程準備課程(DEA)修了。
1994年に来日。日本の大学でのフランス語教授歴20年以上。大阪大学、京都大学にてフランス語を教えていたが、2008年より神戸大学で特任准教授(現:特任教授)を務める。研究分野は異文化コミュニケーションで、日本における語学の授業運営への応用に関心がある。『Moi, je...』(共著)や『Conversation et Grammaire』(共著)など、フランス語の教科書の著作多数。
訳:池田潤
白百合女子大学講師。1984年、大阪府生まれ。
パリ第4大学文学博士、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。
フランス文学、特にマルセル・プルーストの小説を専門に研究している。論文に「サント=ブーヴのサン=シモン評と『失われた時を求めて』」(『フランス語フランス文学研究』第108号)など。